初めての育児に備えて育児本を買う人がいる一方で、「本当に買う必要があるの?」「意味があるの?」と懐疑的な人もいます。一言で育児本と言っても、赤ちゃんの成長に関するものや離乳食、アレルギーといった健康に関するものまでさまざま。
育児本は本当に必要?
たくさんの育児本が出版されているため、中には買った意味を感じられないものもあるかもしれません。しかし、核家族化がすすんで身近に子育てのアドバイスをくれる存在がいないという人にとって、育児本は子育ての大切なことを教えてくれる存在。
また、いろいろな人の子育て体験を知ることもできるので、育児本を上手に取り入れることで、子育てが楽になることもあるんです。
今回はたくさんある育児本の中から、ジャンル別におすすめを選んでみました。育児本を選ぶポイントもご紹介しますので、ぜひ育児本選びに役立ててくださいね。
子育て本を選ぶときのポイント
子育てに関する本はたくさんあるので、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。子どもは一人ひとり違いますし、家庭の環境もそれぞれ違うので、誰にでも役に立つ1冊、というのは案外難しいもの。おすすめの本はありますが、最終的な「合う・合わない」「役に立つ・立たない」は実際に読んでみて初めて分かるんです。
本を選ぶ時は次のようなポイントからチェックしてみるといいですよ。
- 子育ての悩みに応じたものを選ぶ
- 対象年齢を調査する
- 著者の経歴を調査する
詳しく見ていきましょう。
①子育ての悩みに応じたものを選ぶ
例えば、離乳食について書かれている本を探しているとします。
「初めての子育てで、そもそも離乳食がどんなものか分からないから基本的なところから解説してほしい」という人と、「2人目の子育てで離乳食の基礎は分かる、時短テクニックが知りたい」人とでは、それぞれ別々の本がぴったりくるでしょう。
本を探す時は、自分がどんな内容のものを探しているのか、できるだけはっきりさせておくと目当てのものをみつけやすくなります。
②対象年齢を調査する
子育てに関する本は対象年齢が設定されていることがあるので、買う前に調べてみましょう。乳幼児期はたった数ヶ月でも、成長にかなりの差がでる時期。対象年齢が半年ずれると、本に書かれている内容が合わなくなることが少なくありません。
大人の半年と、乳幼児期の半年はまるで違うものだと考えてくださいね。
一方で、乳幼児期は成長のスピードにもかなりの違いがあります。大人がびっくりするようなペースで成長していく子もいれば、ゆっくりペースで成長していく子もいるので、同じ年齢、月齢とは思えないくらい違いがあることも。その場合、子どもの姿と本の対象年齢が合わなくなることもあるでしょう。
本に書かれている対象年齢はあくまで目安なので、その通りのものを買う必要はありません。中味をチェックしてみて、うちの子はもうこの段階ではないなと感じたら対象年齢を上げてみる。うちの子はまだこの段階ではないなと感じたら、対象年齢を下げてみる。
対象年齢通りの本を買わなければいけない、というルールはないので、子どもの様子に合わせて選びましょう。
③著者の経歴を調査する
子育てに関する本でも、実は子育ての経験がない人が書いている場合もあります。研究家や専門家が、その知識を元に子育てに関する内容を書いている本。子育て経験のある人が、自分自身の経験を元に書いている本。保育士など子どもに関するプロが、専門的な知識や経験を元に書いている本。
どれがいい・悪いというものではなく、求めている情報や解決したい悩みによって向いている本が変わってきます。子育ての悩みに応じた内容を選ぶとともに、どんな人が書いているのかチェックしてみることで、自分にぴったりな本をみつける可能性が高くなりますよ。
育児におすすめ本3選|ロングセラー編
育児におすすめな本を、ジャンル別に3冊ずつ選んでみました。ロングセラーだから間違いないかというと、特に子育てに関してはそうとは限らない、というのが正直なところ。
前述しましたが、悩みの内容や子どもの年齢によっては合わないことも十分考えられます。
しかし、ロングセラーとなっている本はそれだけ多くの人に読まれて評価されている、ということでもあるので、一度目を通してみるのもいいかもしれませんね。
ロングセラー編のおすすめは次の3冊です。
- 『0~3歳のこれで安心子育てハッピーアドバイス』
- 『子どもの未来は100%朝ごはん』
- 『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』
内容を簡単にご紹介しますね。
1万年堂出版『0~3歳のこれで安心子育てハッピーアドバイス』
著者は心療内科医であり、子育てカウンセラーでもある明橋大二さん。
最初に出版された『子育てハッピーアドバイス』が大変人気で、その後読者の声が反映されて出版されたのが年齢別のアドバイス本でした。0~3歳の子育てをしている時にぶつかりやすい悩み、不安、心配について分かりやすくアドバイスされています。
イラストやマンガがたくさん盛り込まれているので、読書の習慣がない人、短い時間でぱっと読みたい人でも読みやすいでしょう。
シリーズとして、『3~6歳のこれで安心 子育てハッピーアドバイス』『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方』『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス』も出版されていて、どれも人気があります。文章が読みやすい、分かりやすいと感じたら、シリーズの他の本も参考にしてみるのもいいですね。
ワニブックス『子どもの未来は100%朝ごはん』話題の新書!
子どもの未来は100% 朝ごはん – 子育てに必要なのは「愛情」と「栄養」だけ – (ワニプラス)
著者は皮膚科クリニックの医師である西山由美さん。
美容だけでなく、「食育栄養外来」で食事に関する悩みにアドバイスをしてきた経験から、子どもの朝ごはんについて大切なことを伝えるために書かれた本です。朝ごはんのレシピ本というより、朝ごはんをどう考えるか、どんなメニューがいいのか、といった内容を医学的な知識も踏まえて解説。
子どもだけでなく、大人の健康維持にも効果的だというレビューがありました。
すばる舎『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』
著者はアンガーマネジメントシニアファシリテーターとして活躍し、「母親のためのアンガーマネジメント入門講座」を開催した篠真希さん。子ども向けのアンガーマネジメントプログラムも開発しています。子育て中のイライラを当たり前の感情としてとらえ、どうやってコントロールしていくのかを分かりやすく解説。
イラストやマンガも入っているので、「アンガーマネジメントって大変そう」と尻込みしてしまう人でも、手に取りやすい内容だと思います。著者の篠さんはご自身も2人のお子さんのお母さんですので、同じ親としての解説はきっと身近に感じられるはずです。
育児におすすめ本3選|生活編
育児におすすめな本、生活編を3冊ご紹介します。
- 『できるよ!せいかつ 366』
- 『はじめてママ&パパの離乳食』
- 『最新決定版はじめての育児』
この3冊はどれも写真やイラストが豊富で、ぱっと分かりやすいのが特徴です。
主婦の友社『できるよ!せいかつ366』
著者はお茶の水女子大学附属幼稚園の副園長などをつとめたこともある、お茶の水女子大学の教授宮里暁美さん。
幼児期から小学校の低学年までに「できるようになりたい」「経験したい」「知っておきたい」ことをまとめた1冊。基本的な習慣を身につけるだけでなく、子どもの興味関心を伸ばす内容も盛りだくさん。
子どもと一緒に大人も楽しめる本です。
主婦の友社『はじめてママ&パパの離乳食』
監修者は乳幼児栄養の第一人者と言われる上田玲子さん。
はじめて離乳食に挑戦するママとパパのために、基本のおかゆから離乳食のすすめ方などを詳しく解説してくれる本です。1回の離乳食で食べさせたい量や、食材の柔らかさなど、文章だけでは分かりにくいところを写真で分かりやすくしてくれています。
簡単レシピが300も載っているのも嬉しいポイントですね。
学研プラス『最新決定版はじめての育児』
監修者は小児科医の細谷亮太さん。
出産や育児を経験したママ編集者さんが、「自分がほしい!」と思う育児本を作ったんだとか。生まれてから3歳までの育児について、お世話の仕方、発育や発達、予防接種や検診など、幅広い情報を網羅しています。
ただ、この本が出版されたのは2013年なので、その後改正されている部分もあるかもしれません。この本を参考にしつつ、最新の情報は自分でも調べてみる、という使い方がおすすめです。
育児本におすすめ本3選|お悩み解決編
育児におすすめな本、お悩み解決編の3冊をご紹介します。
- 『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』
- 『子育てがうまくいく!「ママのココロ貯金」のすすめ 親と子の自己肯定感を上げる33のポイント』
- 『子どもへのまなざし』
子育てには親子の数だけ悩みがあると思います。絶対的な解決方法はないかもしれませんが、いろいろな本を読んでみることでヒントがもらえるかもしれません。
かんき出版『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』
著者は夜泣き専門保育士の清水悦子さん。
ご自身の子育て経験や多くの知識を元に考えられた睡眠改善方法の本です。赤ちゃんの夜泣きに悩まされる人は少なくないと思いますが、この本を読んで夜泣きが改善された、救われたという声が続出したんだとか。
子どもによって合う・合わないがあるとは思いますが、改善のヒントを与えてくれるかもしれませんね。
メイツ出版『子育てがうまくいく!「ママのココロ貯金」のすすめ親と子の自己肯定感を上げる33のポイント』
子育てが上手くいく!「ママのココロ貯金」のすすめ 親と子の自己肯定感を上げる33のポイント マミーズブック
著者は子育て心理学協会 代表理事の東ちひろさん。
元幼稚園の先生であり、カウンセラーとしても多くの親子に関わってきた経験から、子育ての悩みについてアドバイスしている本。「こんな子育てがしたい」という理想があっても、大人に余裕がないと思うようにいかず、辛くなってしまうこともありますよね。
そんな辛い思いに寄り添いつつ、子どもの意欲や自信を引き出すコツも伝授。
自分を追いつめがちなママやパパに読んでいただきたい1冊です。
福音館書店『子どもへのまなざし』
著者は児童精神科医の佐々木正美さん。
子どもと親に関わり続けて30年以上という経験から、乳幼児期の子育てがいかに大切なのか、子どもとどう向き合っていくと良いのか書かれている本です。1998年に出版された本ですが、今なお子育てをする上で大切なことを教えてくれる本として評価されています。
字が多く、ページ数も多い本ですので、じっくり読んでいただきたい1冊です。
まとめ
法律が改正されて制度が変わるなど、数年前に出版された本の内容が今と違う、ということはよくあります。
子育てについても日々情報が更新されているので、本に書いてあることは一度最新の情報を調べてみてもいいでしょう。
しかし、何年経っても変わらない大切なものもあると思います。
一度ベストセラーと呼ばれている本を手にとって、いつもと違った視点から子育てについて考えてみるのも有意義な時間になるでしょう。