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保育園児のインフルエンザ対策|兄弟・親が発症したときの登園ルールと家庭でできる予防策

インフルエンザが流行する季節になると、保育園の保護者から増えてくる質問が
兄弟がインフルエンザにかかったら、上(下)の子は登園できますか?
親がインフルエンザになってしまった場合、子どもは預けてもいいの?
といった“家族の誰かが感染してしまった場合の登園”についての相談です。

家庭内での感染は防ぎづらく、特に兄弟がいる家庭では「片方が治った頃にもう片方が…」という連鎖もよくあります。そんなときこそ、正しい知識と園の基準を理解しておくことで、慌てずに対応することができます。

この記事では、保育歴10年以上の元主任保育士の視点から、家族がインフルエンザになったときの登園ルールや家庭での予防策をわかりやすく解説します。


目次

保育園でのインフルエンザ対策が重要な理由

インフルエンザは家庭内で広がりやすい

インフルエンザウイルスは非常に感染力が強く、家族内での二次感染率も高いのが特徴です。特に小さな子どもは手洗いが不十分だったり、家族間の距離が近かったりするため、家庭内で一人発症すると続けて他の家族にうつる可能性が高まります。

そのため、保育園でも「家族にインフルエンザがいる場合の対応」を慎重に確認する必要があります。

保育園で流行しやすい時期と特徴

保育園は子ども同士が密に触れ合う場所であり、冬場や流行期には一気に感染が広がるケースも。特に

  • 2歳までの乳幼児は症状が急に進行することがある

  • 5歳以下は重症化リスクが高い
    とされているため、園側も感染管理を強化します。

園が定める「登園基準」の基本

ほとんどの保育園では、厚生労働省の「学校保健安全法施行規則」に基づき、発症後

  • 解熱後 3日

  • 発症後 5日
    のいずれも満たしてから登園可能とすることが一般的です(園により多少差あり)。

しかし今回は、兄弟や親がかかったケースという“子ども本人は元気な場合”について詳しく見ていきます。


兄弟がインフルエンザにかかった場合の登園はどうする?

兄弟が感染したときの一般的な登園可否の判断

結論から言うと、兄弟がインフルエンザにかかっていても、子ども本人に症状がなければ登園できることが多いです。

ただし、園によっては以下のような対応をお願いする場合もあります。

  • 家族内感染リスクが高いため“念のため自宅で様子を見る日”を設ける

  • 登園する場合は朝の健康チェックをより入念に行う

  • 園での検温を増やす

  • 咳・くしゃみ症状があれば早退をお願いする場合がある

これは「本人がまだ潜伏期間である可能性が高い」ため、集団感染防止の観点でとられる措置です。

家庭内感染リスクを踏まえた園からのお願いや方針例

実際の保育園では、

  • 「兄弟が昨日発症した場合、翌日の登園は状態を見て要相談」

  • 「発症から2〜3日は本人にも症状が出やすいため、慎重に登園判断をお願いします」

  • 「家庭にインフルエンザが出た場合は必ず園に連絡を」

といったルールを定めていることが多いです。

保育園は多数の子どもが生活する場ですので、感染が広がってしまうと休園やクラス閉鎖につながることも。そのため、園側の対応が慎重なのは当然といえます。

兄弟が発症した場合に親が気をつけたい症状チェック

兄弟がインフルエンザにかかったタイミングでは、本人も症状が出る可能性が高いため、以下のような兆候がないか確認しましょう。

  • 朝から機嫌が悪い

  • 食欲が落ちている

  • 手足が熱い

  • 咳・鼻水の急な悪化

  • 顔色が悪い

  • いつもより眠たがる

保育園では「朝の段階で少しでも異変があれば登園を控えてほしい」というルールが一般的です。家庭での早めの気づきが、園での感染拡大防止にもつながります。

登園前に知っておきたい“濃厚接触者”の扱い

「兄弟がインフルエンザだから、この子は濃厚接触者?」と疑問に思う保護者も多いですが、インフルエンザにおいて“濃厚接触者=登園不可”という扱いはされません。

ただし、園によっては

  • 家族内感染が続いている場合は、一時的な登園自粛をお願いする

  • 発症が予測される期間は家庭での慎重な観察を求める

など、独自の基準を設けていることがあります。
迷ったら、「兄弟がインフルになりましたが、今日は登園して大丈夫ですか?」と園に相談するのが最も確実です。


親がインフルエンザにかかった場合の登園ルール

親が感染しても子どもは登園できるのか?

多くの保育園では、親がインフルエンザでも子どもに症状がなければ登園可能としているところがほとんどです。

ただしここでも園の判断は分かれます。

  • 親が重症で送迎ができない

  • 祖父母など代わりの送迎者が必要

  • 園と家庭間での連絡が取りにくい

といった理由で一時的に登園が難しくなるケースもあります。

親が発症時、保育園側が心配するポイント

園が特に心配するのは以下の点です。

  • 家庭内で子どもの感染リスクが高いこと

  • 親が看病で体調不良になり、子どもの健康観察が十分にできないこと

  • 登園後に急な発熱が発生しやすいこと

  • 送迎が困難になり、早退の対応ができなくなる場合があること

保育園は、子どもだけでなく家庭全体の状況を踏まえて登園の可否を判断します。

送迎は可能?家族に感染者がいるときの注意点

親がインフルの場合、送迎は以下のように配慮されることが多いです。

  • 感染している親本人の送迎は控える

  • 家族の代わりの送迎者を立てる

  • 園玄関での引き渡しのみ対応する場合もあり

特に0〜2歳の乳児は感染しやすいため、園側も慎重に接触を避けたいと考えています。

預ける前に確認したい園の個別ルール

家庭にインフルエンザが発生した場合、園への連絡は必須です。

  • 親の症状

  • 家庭内での対策

  • 子どもの健康状態

  • 登園の希望や相談

これらを伝えることで、園も適切に対応できます。

園によっては

  • 送迎者を別の家族にするよう依頼

  • 登園後の検温の頻度を増やす

  • 園内での過ごし方を調整

など、細かな対応をしてくれます。


家族にインフルエンザが出たときの家庭でできる予防対策

家庭内での動線分け・マスク・換気などの基本対策

インフルエンザは飛沫・接触で感染するため、家庭内での対策が重要です。

  • 感染者を別室で休ませる

  • 手洗い・うがい・アルコール消毒

  • 家族全員のマスク着用

  • タオル・コップを分ける

  • 定期的な換気

特に小さな子どもは“触った手を口に運ぶ行動”が多く、接触感染しやすい点に注意しましょう。

兄弟間の接触を減らす工夫と実例

兄弟がいる家庭では、どうしても接触が避けられません。以下のような工夫が有効です。

  • できるだけ別の部屋で過ごす

  • おもちゃの共有を避ける

  • よだれの多い乳児には特に注意

  • 親は看病時にマスク・手洗いを徹底

「完全に隔離できないのが現実」だからこそ、できる範囲で工夫を積み重ねることが大切です。

子どもに多い初期症状の見落としを防ぐポイント

乳幼児は自分で体調を言葉で伝えるのが難しいため、保護者の観察が鍵になります。

  • いつもより甘えが強い

  • 食事量が減る

  • 活動量が落ちる

  • 顔が赤い/逆に青い

  • ぼーっとしている時間が長い

こういった“なんとなく元気がない”サインが実は発熱の前ぶれということもよくあります。

登園前・登園後のケア(手洗い・うがい・睡眠・食事)

体調管理を徹底することで、感染しづらい身体づくりにつながります。

  • 朝食でエネルギー補給

  • 十分な睡眠

  • 帰宅後の手洗い・うがい

  • 加湿で喉を守る

保育園でも予防は行われますが、家庭でのケアが最も大きな影響を与えます。


まとめ|家族がインフルエンザでも慌てないために知っておきたいこと

登園判断は「園の基準+家庭の安全」が基本

兄弟や親がインフルエンザにかかった場合、子ども本人に症状がなければ登園できることが多いですが、園によって基準はさまざまです。まずは園へ連絡し、家庭の状況を共有しましょう。

家族全体の健康管理がインフル予防の鍵

家庭内感染を完全に防ぐことは難しいですが、手洗い・マスク・換気など、基本的な予防策の積み重ねが感染リスクを大幅に下げます。

不安な時は保育園・医療機関に早めに相談を

登園していいか迷ったときは、自己判断せず園や医師に相談することで、安心して過ごせる環境が整います。