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子育てにかかる費用ってどのくらい?大学卒業までに必要な金額と用意する方法

子育てをしている家庭にはそれぞれ悩みや不安があるかと思いますが、その中でも多くの家庭が抱える悩みが「お金」に関するもの。というのも、この先の子育てにいくらかかるのか分からない、という方が多いからです。子育ては数年で終わるものではなく、大学卒業までと考えれば20年以上かかるものですから、子育てにかかる費用が大きくなるのはなんとなく想像がつくかもしれません。

しかし、具体的な数字が分からないと、このままでいいのか、何か対策を考えた方がいいのかも分からず、悩みや不安として重くのしかかるようになっていくのです。

子育てにかかる費用はどのくらい?

子育てにかかる費用ってどのくらい?大学卒業までに必要な金額と用意する方法

それでは、実際大学卒業までにかかる費用はどれくらいになるのでしょうか。

内閣府が発表したデータを元に解説していきます。

 

0才から22才(大学卒業)までにかかる費用は3,000万円以上!?

内閣府が2010年3月に発表した「インターネットによる子育て費用に関する調査」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_hiyo/mokuji_pdf.html)を元に、0歳~15歳までの子育てにかかる費用について見ていきましょう。

年齢別にかかる年間費用について詳しくは後ほどご紹介しますが、0歳~15歳までの子育てにかかる費用を全て合計すると、1,899万5,250円になります。ここには学校教育費、学校外教育費といった「教育費」と、それ以外にかかる費用の「養育費」両方が含まれています。

 

続いて、高校以降にかかる費用について見ていきます。

先ほどの調査は対象年齢が15歳まででしたので、ここからは2019年に文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)を元にしていきましょう。

こちらも詳細は後ほど紹介しますが、公立高校に通うか私立高校に通うかで教育費にかなりの差が出ます。

そこに、内閣府の調査結果から養育費を予想して加算してみました。

  • 公立高校・・・・・・532万222円
  • 私立高校・・・・・・685万2,380円

加えて、大学進学を希望している場合、予備校や受験対策にかかる費用が追加されるため、さらに費用が変わってくるでしょう。

 

次に、大学に進学した場合の教育費について見ていきます。

高校と同じく公立に通うか私立に通うかでも費用が変わりますが、さらに自宅から大学に通うのか下宿するのかも大きな違いになります。

ここでは、独立行政法人 日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2022/03/16/data20_1.pdf)から、大学生の学費と生活費の合計を参考に4年間の合計を算出してみました。

  • 国立大学・・・・・・572万7,200円
  • 公立大学・・・・・・549万1,600円
  • 私立大学・・・・・・771万4,400円

進学先によって金額にはかなり差が出ますので、目安としてご覧ください。

 

すべて公立校に進学した場合で、ここまでの費用を計算すると、3,004万2,672円という結果に!

これだけの費用がかかるとなると、早い段階から計画的な資金計画が必要になるのが分かりますね。

 

 

年齢別で見る子育て年間費用

年齢別にどれくらいの費用がかかるのか、年間費用を詳しく紹介していきます。0歳~15歳までは、前述した内閣府の調査を元にしました。

子育てにかかる費用ってどのくらい?大学卒業までに必要な金額と用意する方法

0歳~6歳時

0歳~6歳にかかる費用は年間100万円前後で、7年間の総額はおよそ700万円になります。この調査が行われた際には保育料の無償化が始まっていませんでしたので、今調査すると結果が変わってくるでしょう。この時期は年齢が低いほど「子どものための預貯金・保険」の割合が高く、年齢が上がるにつれて割合が下がっていきます。

そして、年齢が上がるほど「食費」「レジャー・旅行費」の割合が高くなる傾向が見られました。子どもが成長することで活動範囲が広がり、支出が増えていくのでしょう。

 

小学生

小学生にかかる費用は学年によってばらつきがあり、公立校なのか私立校なのかでも大きく違いが出てきます。

2019年に文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)によると、公立校での総額は約200万円、私立校での総額は約1,000万円という結果になりました。

公立校と私立校の違いは授業費だけではなく、塾や習い事といった部分にかかる費用でも差がある様子。習い事の内容でも費用はかなり変わってきます。

また、小学校は公立でも私立中学を受験するとなれば、塾や受験対策で別に費用がかかってくるでしょう。

 

中学生

内閣府の調査では、年間にかかる費用が最も高いのは中学生という結果になっています。学校教育費の他、学校外教育費も高くなり、3年生が最も高額に。大学受験を控えて、塾や予備校に通う子どもが増えるからでしょう。3年間の総額は約500万円という結果でした。

前述した文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によれば、公立校に通った場合の年間教育費は約49万円なのに比べ、私立校は約141万円と3倍近い差があるとのこと。

通わせたい私立校があるなら、早い段階から準備が必要になりますね。

 

高校生

高校3年間の費用も、公立校か私立校かで大きく変わってきます。

  • 公立高校・・・・・・137万2,072円
  • 私立高校・・・・・・290万4,230円

 

こちらは教育費だけですので、他に養育費が必要になります。養育費は調査結果がないため、先の内閣府の調査から中学3年生にかかる養育費131万6,050円を足して計算してみましょう。

  • 公立高校・・・・・・131万6,050円×3年+137万2,072円=532万222円
  • 私立高校・・・・・・131万6,050円×3年+290万4,230円=685万2,380円

 

塾や予備校にいつから通うのか、他に習い事をするのかといった点で学校外教育費に差が出ますし、部活動によって必要になる費用も変わります。最低でもこのくらいかかる、という心積もりをしておく方がいいかもしれません。

 

大学生

大学に進学した場合の費用は前述した通り、次のような金額になります。

  • 国立大学・・・・・・572万7,200円
  • 公立大学・・・・・・549万1,600円
  • 私立大学・・・・・・771万4,400円

私立大学でも、文系か理系かで費用が変わりますし、大学院まで通うとなるとさらに費用がかかります。一方で、生活費や学費の一部を奨学金でまかなったり、子ども自身がアルバイトをして支払うケースも出てくるでしょう。学校独自の奨学金制度を取り入れているところもありますし、学校を選ぶ際のポイントにしてもいいかもしれませんね。

 

教育資金を計画的に準備する対策!

子育てにかかる費用ってどのくらい?大学卒業までに必要な金額と用意する方法

ここまで紹介してきた通り、子育てにはかなりの費用が必要になります。

子どもが成長するにつれて必要になる費用も増えていくので、早い段階から教育資金を準備することが大切です。計画的に準備しておけば子育てに対する不安や心配も軽減されるでしょう。教育資金の準備としては、主に次のような方法があります。

  • 児童手当
  • つみたてNISA
  • 学資保険
  • 定期預金

具体的な内容を解説していきますね。

児童手当

児童手当とは、子どもを養育する家庭に定期的に手当が支給されるという制度。市町村区に申請し、認定されることで申請月の翌月から支給が始まります。支給額は年齢によって変わり、中学校卒業まで支給されます。

  • 3歳未満・・・・・・一律15,000円
  • 3歳以上小学校修了前・・・・・・10,000円(第3子以降は15,000円)
  • 中学生・・・・・・一律10,000円

児童手当には、日本国内在住であること、所得制限といったルールがいくつか存在しますので、詳しくは内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html)を確認してください。

 

児童手当はそのまま生活費として使うのではなく、教育資金に回すのがおすすめ。例えば、児童手当を0歳から申請して積立を始めた場合、中学卒業までに約200万円の教育資金を準備できることになります。

 

つみたてNISA

つみたてNISAは、少額から資産運用を始められる制度。

この制度を利用して一定の基準を満たした投資信託に投資することで、分配金や譲渡益が非課税になります。資金準備を早くから始められた場合、つみたてNISAのような長期積立の資産運用もおすすめです。しかし、元本が保証されるわけではありませんので、投資の仕方についてはある程度勉強が必要になるでしょう。

一度に大きく稼ぐものではなく、長期的に投資をしていくものと考えてください。

 

学資保険

教育資金の準備といえば、学資保険を連想する方が多いのではないでしょうか。

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2022」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2021/nr_220308.html#sec8)では、調査対象となった高校生以下の子どもがいる親のうち、42.1%が学資保険を利用しているという結果に。

なぜそれほど高い加入率なのかというと、学資保険は利回りが良いため貯蓄性が高く、万が一のための「死亡保障」がついているからです。また、月々の保険料は加入時の子どもと契約者(親)の年齢、払い込む期間によって決まることが多いので、できるだけ早く加入することで月々の保険料を抑えられます。

 

定期預金

定期預金とは、あらかじめ決められた預入期間中に毎月定額を預け入れる方法。預入期間中は自由にお金を引き出せないため、しっかりと資金を守ることができます。

児童手当と組み合わせて利用してもいいですね。

まとめ

子育てにかかる費用ってどのくらい?大学卒業までに必要な金額と用意する方法

子育てにかかる費用の総額を知ってしまったことで、かえって不安になったという方もいるかもしれません。確かに全体で見ると大きな金額ですが、これから必要になる金額には毎年どれくらい用意すればいいのか、毎月だとどれくらいなのかと計算していくことで、現実的な金額になっていくと思います。

また、保育料の無償化や児童手当の他に、子育てを応援するための制度がいくつもあります。国が行っているものだけでなく、各自治体が独自に設定しているものもありますので、ぜひ一度調べてみてください。