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保育園の夏に欠かせない熱中症対策とは?

年々暑さが増している日本の夏。特に体温調節が未熟な乳幼児にとって、熱中症は大きなリスクとなります。保育園では集団生活の中で安全に過ごせるよう、さまざまな熱中症対策が講じられていますが、保護者としては「園ではどんなことをしてくれているの?」「家庭ではどう連携すればいいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、保育園で実際に行われている熱中症対策のポイントを具体的に紹介しながら、家庭でできるサポートや万が一の対応までを解説します。


熱中症が乳幼児に危険な理由
赤ちゃんの熱中症対策3選!!

体温調節が未熟な乳幼児

乳幼児は大人と比べて体温調節機能が発達しておらず、熱を体の外に逃がす力が弱いといわれています。また、身長が低いため、地面からの照り返しによる熱を強く受けやすく、外遊び時には注意が必要です。

汗腺の数も少なく、発汗による熱放出も不十分なため、体内に熱がこもりやすいという特徴があります。

気づきにくい初期症状

熱中症は初期の段階では、赤みや顔色の変化、機嫌が悪くなる、ぼーっとするなどのわずかなサインしか見られないことがあります。しかし、幼い子どもは自分で「暑い」「気持ち悪い」と訴えることが難しく、見逃してしまうことも。

だからこそ、園でも保育士が日々の観察を徹底し、子どもの小さな変化に敏感に対応しています。


保育園で行われている熱中症対策とは?
赤ちゃんの熱中症対策3選!!

こまめな水分補給の徹底

保育園では、決まった時間に水分補給の時間を設けています。登園後やお散歩・外遊びの前後、昼寝の前後など、活動に応じてこまめに水分を摂ることが習慣化されています。

ストロー付きの水筒や、飲みやすい形のマグなど、子どもが自発的に飲みやすい工夫も取り入れられています。

活動場所・時間の調整

夏場の外遊びは、午前中の涼しい時間帯に行うなど、時間帯の工夫がなされています。また、園庭の一部にタープやミストシャワーを設置する園も増え、できるだけ直射日光を避けた活動をしています。

猛暑日や高温注意報が出ている日は、室内での運動遊びや水遊びに切り替えるなどの柔軟な対応も行われます。

衣類や帽子による暑さ対策

子どもたちが快適に過ごせるよう、通気性の良い衣類の着用が勧められています。着替えの回数も増やし、汗をかいたらすぐに着替えることで体温の上昇を防いでいます。

帽子は、通気性・吸水性が良く、つばが広めのものを選ぶよう、園から家庭へのお願いが出されることも。園によっては保冷材を入れられるネッククーラーを使用しているところもあります。

室内環境の温度・湿度管理

エアコンやサーキュレーターを併用し、室温28℃以下、湿度60%以下を目安に空調管理を行っています。園児の体調や動きに応じて、こまめに設定温度を調整するのもポイントです。

一部の園では、冷感マットや除湿器なども取り入れて、より快適な環境づくりに力を入れています。

毎日の健康チェックと体調管理

登園時には保育士が一人ひとりの子どもの顔色・体温・表情・機嫌をしっかり観察。少しでも元気がないと感じた場合には、無理に活動に参加させず、静かに過ごすよう配慮しています。

また、連絡帳や口頭での保護者からの情報も重視され、家庭と園で情報を共有しながら体調の変化に対応しています。


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登園前の体調チェック

家庭でも登園前に、子どもの顔色、朝ごはんの量、睡眠の質、排便の有無などを確認しておくと安心です。体調が少しでも普段と違うと感じた場合は、無理に登園させず様子を見ることも重要です。

熱中症対策グッズの準備

保育園によっては、夏の間に「汗拭きタオル」「保冷タオル」「替えの服」などの持参をお願いされることがあります。帽子やマイ水筒の衛生管理にも気を配り、毎日清潔な状態で登園させましょう。

家庭からできる小さな配慮が、園での熱中症予防に大きく役立ちます。

連絡帳や口頭での情報共有

「昨晩寝つきが悪かった」「朝からあまり食欲がない」など、小さなことでも連絡帳や登園時の会話で伝えることが、保育士の判断材料になります。体調不良の兆候を早期にキャッチするためにも、家庭との連携はとても大切です。


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保育園での緊急対応フロー

保育園では、熱中症の疑いがある場合、すぐに涼しい場所に移動し、保冷材や濡れタオルなどで体を冷やしながら水分補給を行います。その後、症状に応じて保護者への連絡・病院への搬送を行うケースもあります。

対応マニュアルが整備されている園も多く、保育士同士で連携しながら迅速な対応が取られています。

病院受診の目安と対応

以下のような症状が見られた場合は、速やかな受診が必要です:

  • 呼びかけに対する反応が鈍い、またはない

  • 顔が真っ赤、または真っ青

  • 手足が冷たいのに体は熱い

  • 嘔吐やけいれんがある

日常の延長にある危険だからこそ、園も家庭も「もしも」の備えを怠らないようにしておきましょう。


まとめ:園と家庭で連携し、子どもを暑さから守ろう

保育園では、熱中症対策を日々の保育の中に自然に取り入れながら、子どもたちが安全・快適に過ごせるように配慮されています。しかし、園だけでできることには限界があり、保護者の協力が必要不可欠です。

登園前の体調確認や熱中症対策グッズの準備、こまめな情報共有など、家庭でできるサポートを意識することで、園との連携がスムーズになり、子どもたちの安全を守る力になります。

厳しい夏を元気に乗り越えるために、園と家庭が一丸となって熱中症対策に取り組みましょう。