絵本の読み聞かせが子どもの発達にいいのはよく知られていますよね。しかし、「言葉のわからない0歳児に絵本を読み聞かせる意味はあるの?」「どんな絵本を読めばいいの?」と悩んでいるパパやママは多いはず。
というわけで今回は、0歳児から絵本を読み聞かせるねらいや、絵本選びのポイント、後半ではおすすめの絵本をご紹介。専門知識のある現役保育士が詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください!
0歳児の絵本のねらい
絵本の読み聞かせは生後すぐからでも始められます。しかし、言葉が通じない、目があまり見えていない0歳児に絵本を読み聞かせてどんな意味があるのかと感じてしまいますよね。
0歳児に絵本を読み聞かせるねらいは以下の3つです。
- 脳に刺激を与える
- 感受性を豊かにする
- 親子のスキンシップの手段になる
0歳児のなかでもとくに月齢の低い赤ちゃんの場合は、視界がぼんやりしているため、絵本を見せても絵や字を認識できません。とはいえ、まったく見えていないわけでないので、カラフルな絵本を見せれば脳に刺激を与えて発達を促す効果が期待できます。
さらに、脳の成長が活発なこの時期にいろんな言葉に触れることは、子どもの将来の能力に大きな影響を与えるとされています。
また、0歳児は絵本の内容を理解できていなくても、絵を見ておもしろいと感じたり、大人の声をきいてリラックスしたりと、いろいろな感情を抱いています。
日常の生活だけでは得られない感覚を絵本を通して経験することで、感受性が豊かになっていくのです。
さらに、0歳児は字が読めないので、必然的にパパやママが絵本を読んであげなければいけません。先ほどもお話しした通り目はあまり見えていませんが、パパやママのぬくもりや匂いはしっかり感じとることができます。
さらにパパやママの声には、赤ちゃんを安心させる効果も。スキンシップや優しく読み聞かせる声で愛情が伝わり、その結果自己肯定感を上げることにもつながっていきます。
ただ、いざ読み聞かせをしても最初はリアクションがなかったり、舐めるばかりであまり興味を示してくれなかったり、といったこともあるかもしれません。でも大丈夫。
くり返し読み聞かせてあげることで絵本の魅力に気付くでしょう。0歳児への読み聞かせは、親子で一緒に楽しい時間を過ごすことが大きなねらい。「絵本を読み聞かせないと!」と気負わず、パパとママがゆったりした気持ちで楽しむことが大切なのです。
0歳児に絵本を読み聞かせることの重要性がわかったところで、次はどんな絵本を選べばいいのかをみていきましょう。0歳児の絵本を選ぶときのポイントは以下の3つ。
- 色彩が豊か
- 擬態語や擬音語が使われている
- 同じ言葉がくり返し出てくる
先ほどからお伝えしている通り、0歳児は視力が発達していないのでぼんやりとしか見えていません。そのため、色彩が豊かでコントラストがはっきりしている絵本がおすすめ。大きくわかりやすい絵だとより認識しやすくなります。
また、「にこにこ」「ぶーぶー」などの擬音語や擬態語は赤ちゃんの想像力を豊かにしてくれます。いろんな擬音語や擬態語を聞くなかで表現力が身につき、子どもの感性や個性が養われていきます。
そして、0歳児だとストーリーを理解するのは難しいです。ストーリー性のある絵本ではなく、同じ言葉がくり返し出てきてリズム感が楽しめるような絵本がいいでしょう。
先ほどのポイントを踏まえたうえで、0歳児におすすめの絵本を厳選しました。年齢にあった絵本を選べば、低月齢の赤ちゃんでもちゃんと楽しむことができますよ。
だるまさんが
こちらは大人気のだるまさんシリーズのひとつ。最初に「だ・る・ま・さ・ん・が」とだるまさんが左右に揺れているページがあり、ページをめくるとだるまさんが縦に伸びたり、ぺちゃんこにつぶれたりといろんな動きを見せてくれる絵本です。フレーズにあわせてママやパパが体を動かせば、赤ちゃんもより楽しんでくれるでしょう。最初はニコニコ笑っているだけだった赤ちゃんも、何度も読み聞かせるうちにだるまさんをまねてかわいい動きを見せてくれるかも。親子で長く楽しめる絵本です。
いないいないばあ
1967年に発売されてから600万部以上を売り上げるベストセラー絵本。くまやねこなどの動物が順番にでてきて、ひたすら「いないいないばあ」をするシンプルな絵本です。赤ちゃんに語りかけながら一緒に楽しめるので、自然と笑顔になる赤ちゃんも多いはず。1ページに大きく動物の絵が描かれているので、表情を読み取りやすく、0歳児でも十分に楽しめます。
じゃあじゃあびりびり
こちらも1982年から発売されているロングセラー絵本。「じゃあじゃあ」「びりびり」のほか「わんわん」「かんかん」などたくさんの擬音語が出てきます。色や形がはっきりしており、0歳児でも認識しやすく、低月齢でも楽しめます。また、全部のページが分厚く丈夫な素材でできており、さらに角が丸くなっているので、投げたり口に入れたりしても安心。大きさも赤ちゃんが自分で持てるくらいコンパクトで、とことん赤ちゃんのことを考えた設計です。
あっぷっぷ
こちらはにらめっこを楽しめる絵本。さるやぶたなどの動物のほか、だるまやおかあさんが登場して、次々ににらめっこをしていきます。「だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとまけよ あっぷっぷ」とおなじみの歌を歌いながら読み進めることができます。絵本を読むだけではなかなか反応してくれない赤ちゃんも、歌いながらなら楽しんでくれるかもしれません。ひとつひとつの顔が大きく描かれているので表情がわかりやすく、0歳の赤ちゃんにぴったり。
ちゃみせんせいからのオススメポイント!!
にらめっこの後の笑うページでは、笑い声を聞き取って笑顔を見せてくれる事もあります。笑う事は赤ちゃんだけでなく、読み聞かせをするパパママの気持ちも晴れやかにしてくれるでしょう。
くっついた
さるやきんぎょなどいろいろな生きものがでてきます。最初は離れた場所にいる2匹の生きものが、ページをめくるとくっついているというかわいい絵本です。最後には「おかあさんとわたし」さらに「おとうさん」も加わって、みんなで顔をくっつけてスキンシップが楽しめる展開に。みんなで顔をくっつければ、ストーリーがわからない赤ちゃんも思わずニッコリしてしまうでしょう。
ちゃみせんせいからのオススメポイント!!
保育園で実際に読み聞かせをすると子どもと保育士で顔をくっつけたり、子ども同士で寄り添おうとする場面も見られます。スキンシップをとる事で愛着関係も深まっていきます。そんな時にもぴったりの一冊です。
0歳児の絵本についてご紹介しました。親子のスキンシップにもなり、さらに赤ちゃんの発達にもいいことだらけの絵本の読み聞かせは、ぜひ0歳児のうちから取り入れていきたいですね。
赤ちゃんだけでなく、パパやママが楽しむことが大切。あまり気負わず、コミュニケーションのひとつとして実践してみてくださいね。