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現役主任保育士がイヤイヤ期にダメな対応を解説します!

「イヤイヤ期」という言葉は、子育てをしていなくてもおそらく耳にしたことがある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。言葉からして、良い意味ではなく、きっと大変な時期のことなのだろう…という想像は大体つくのではないかと思います。

ですが、実際は何歳頃で、子どものどんな状態のことをいうのか、具体的なことは分からない方もいるかと思います。イヤイヤ期は子どもの自我が芽生えたことによる大きな成長の証なのですが、一つ一つのイヤイヤに向き合い続けていくと親も子も精神的に参ってしまい、互いにイライラがヒートアップしてしまいます。

今回は、イヤイヤ期への保護者の向き合い方を解説します!

 

 

イヤイヤ期とは?

イヤイヤ期とは

イヤイヤ期とは第一次反抗期とも呼ばれています。自我が芽生えたことにより、これまでお父さんお母さんにしてもらっていたことや決めてもらっていたことに対しても、自分でやりたい・決めたいという気持ちが生まれ、自己主張が強くなる時期のことです。

まだ獲得している言葉数や、自分の気持ちを的確に表現する語彙力が無い為、「イヤ!」という言葉での自己主張になってしまうのです。

 

現役主任保育士がイヤイヤ期にダメな対応を解説します!

イヤイヤ期の特徴

・大人がしていることが気になり、自分も同じことをしてみたがる

・周囲や自分のことに興味関心を持ち、「自分でやりたい」という自我が出始める

・自分の気持ちや思いを言葉で表現できない

 

イヤイヤ期の原因

イヤイヤ期は、環境や育て方が原因ではなく、『脳』の前頭前野が未発達なことから起こると言われています。

自分の思い通りにならないときや、自分の思いを分かってもらえないときに、気持ちを抑制する脳の働きがまだできていないため、本能のままに自己主張を続けてしまうのです。
相手の気持ちを理解しようとしなかったり、相手の言葉を聞き入れようとしないのは、仕方のないことなのですね。

成長と共に前頭前野も発達し、言葉の獲得も相まって少しずつ自分の気持ちをコントロールできるようになり、折り合いがつけられるようになってきます。

 

 

イヤイヤ期はいつから?

イヤイヤ期の期間には個人差があります。早くて1歳半ごろから始まります。イヤイヤ期のピークは2歳

”魔の2歳児”と言われることもありますよね。

やりたいこと・やりたくないことがあるのに思うようにいかず、言葉で表現することもまだできません。
そのため自分が知っている言葉(イヤ!やダメ!)や、周囲が反応してくれる主張方法(泣く・叩く)で自己主張するのです。

ただ、保護者の中には「イヤイヤ期はなかった」と感じる人もいるようです。自己主張が増えてくることに対して「特に気にならない」という方もいます。こうした違いからイヤイヤ期の始まりは保護者の感じ方によるようです。

 

イヤイヤ期いつまで

イヤイヤ期は一般的に3~4歳ごろに落ち着くと言われています。なぜなら、言葉でのやりとりができるようになってくるからです。まだ言葉数が少ない子も、相手の言っていることを聞けるようになり、理解できるようになってくるので、自分の思いを少しずつコントロールできるようになってきます。

ですが、まだまだ甘えたい時期。眠たかったり、体調が良くないときはダメだと分かっていてもつい「イヤ!」と言ってしまうこともあります。そんなこととは大人にもありますよね。

 

 

現役主任保育士が解説!イヤイヤ期にしてはいけない対応

イヤイヤ期について少し知っていただけたでしょうか?このままわがままに育ってしまったらどうしよう、甘やかしすぎたのかもしれないと不安だった保護者の方も、少し安心されたのではないでしょうか。

”これから脳がどんどん発達していくんだな”と考えると、少し余裕を持って対応できるのではないかと思います。ここからは、イヤイヤ期の子どもたちにしていけない対応や逆効果な言動などをいくつかご紹介します。参考にしてみてくださいね。

 

子供を無理やり押さえつけてしまう

朝、子どもが「自分でやる!」と言って始めた着替え。ですがボタンがなかなか留められず何十分も時間がかかり、保育園に行く時間に間に合わない…結局大人が「ちょっと手をどけて!」と手を出し「イヤ!自分で!」と更に子どもが崩れてしまう…そんな経験はありませんか?

また、子ども1人では行うことが難しいこと(料理や車の運転など)を「やりたい!」と主張した時にすぐに「まだできないよ」「だめ!」と否定してしまう言葉を使ってしまうことはありませんか?

この時期の子どもはまだ”見通しを持つ”ということができません”なぜできないのか””なぜお父さんとお母さんはできるのに自分はだめなのか”が分からないのです。子どもが自分で行うことが難しいことをやりたいと主張しているときは、まずは「やりたくなったんだね」と思いを一度受け止めてあげましょう。

家を出る時間が決まっているときの着替えでは「おうちを時計の長い針が8になったら出発するから、6になったらお手伝いしても良いかい?」と事前に伝えたり、一つでもボタンが留まっていたら「一つ自分でできてるね!すごい!」と褒めてあげると良いでしょう。子どもが気持ちを切り替える”きっかけ”を作りましょう。

 

現役主任保育士がイヤイヤ期にダメな対応を解説します!

 

感情的に怒る

思いもよらないタイミングで「イヤ!」「やりたい!」と主張する子どもの姿を見てついイライラして「もういい!」「勝手にしなさい!」とつい感情的に叱ってしまうことはありませんか?

お父さん・お母さんも人間です。イライラしてしまうことは当たり前。ですが、感情的に叱ってしまうと、子どもの感情も更に爆発してしまい収拾がつかなくなってしまいます。子どもの中では、「お母さんが怒った…」という印象しかなくなってしまうのです。

感情的に叱ってしまったときは、お母さんも気持ちを切り替え、「さっきはごめんね。ヤダって言われて悲しくなっちゃったんだ」と、落ち着いたトーンで話を始めると良いでしょう。子どもも、お母さんの姿を見て”気持ちの伝え方”を学んでいきます。

 

現役主任保育士がイヤイヤ期にダメな対応を解説します!

交換条件でつる

「好きなお菓子を買ってあげるから片付けなさい」「おもちゃを買ってあげるから野菜を食べなさい」と交換条件を出して子どもを動かしてしまうこと、ありませんか?子どもも学習能力がありますから、何か買ってもらわないと言う事を聞かないようになってしまいます。

だんだんと立場が逆転してきて「お菓子を買ってくれるなら片付けをする」「おもちゃを買ってくれるなら野菜も食べる」と、子どもから交換条件を出してくるようになってきます。

目標を達成したらご褒美があるというのは100%悪いことではありません。日常生活の中のご褒美は、スキンシップやいつもよりお菓子の量を少し増やしてあげるなど小さなことが良いでしょう。

ポイントは、ご褒美という言葉を言い換えることです。「頑張ったね!片付けてくれておうちがきれいになったから、今日はお菓子がいつもより3個多いよ」「野菜をたくさん食べて足が大きくなりそうだから、新しい靴下を買いに行こう」など、子どもがしてくれた行動に対して良いことがあったから、思いがけず良いことがあったという形が良いですね。

 

 

まとめ

 

現役主任保育士がイヤイヤ期にダメな対応を解説します!

子どもの「イヤイヤ期」に向き合うことは精神的にも身体的にも大変ですよね。ですが、子どもも成長している途中なのです。お父さん、お母さんも最初から子どもの「イヤ!」をなだめることが出来なくて当たり前です。今回の解説が少しでも、子どもとの関わり方や子どもの見方が変わるきっかけになると嬉しいです。