子育てをしているなかで、子どもは良い行動ばかりしてくれるわけではないですよね。興味本位で触ってはいけないものを触ってしまったり、お父さんお母さんとの約束を守れなかったり、気持ちが高揚しておもちゃを壊してしまったり…。
そんなとき、当然そのままにしておくわけにいかず、子どもにしっかりと伝えるべきことがありますよね。ついイライラとして感情に身を任せてしまうと言いすぎてしまったり、論点がずれ、ただ子どもが大泣きして終わってしまったということはありませんか?
子育ての中で、『褒める』ことよりも『叱る』ことの方が格段に難しいのです。優しく声を掛けるだけでは伝わらないのではないかと思って強く声を掛けるなど保護者の方も日々試行錯誤されているかと思います。今回は、公開しない子どもの叱り方3選をご紹介したいと思います。
結論:子供の叱り方は「叱る」と「フォロー」がポイントです
子どもの叱り方は、「叱る」と「フォロー」がポイントになって気います。叱るだけではなく、最後に「約束守れたらもっとかっこいいお兄さんになっちゃうんじゃない!?」というフォローの声掛けで子どもは前向きになります。具体的にフォローしなくても良いのです。子どもが「約束を守りたい」と思えるような声掛けをプラスするだけで、伝わり方がガラッと変わります。
また、「伝え方」も気を付けてみてくださいね。子どものマイナス行動を目の当たりにしたときに、感情的になってしまう気持ちを一度ぐっと押さえて、子どもの目を見て落ち着いたトーンで問いかけてみましょう。気持ちが高揚してしまった子ども、もお母さんの落ち着いた声色を聞くと気持ちが落ち着きます。
逆に、お母さんが感情に任せて声を掛ける、子どもも比例して気持ちが更に高揚してしまい、聞く耳を持てなくなってしまいます。気持ちを静めるというのは大人でも難しいことですが、心の片隅において少しでも意識してみてくださいね。
叱ると怒るの違いとは??
同じような言葉ですが、叱ると怒るは厳密に言うと意味が違います。
『叱る』とは、相手のことを思い、間違いを正すために指導することです。一方、『怒る』とは、感情をあらわにしイラ立ちをぶつけることです。
みなさんも子どもの頃、「あの時お母さんにすごく怒られて泣いたけど、なんで怒られたのかは覚えていない」ということはありませんか?また、逆に「保育園のとき友だちと喧嘩をしたけど、先生がどうして喧嘩をしたのか聞いてくれて、叩くのではなくて貸してって言葉で言うんだと教えてくれた」と、なぜか記憶に残っている体験はありませんか?
マイナス行動をしてしまった後、心に何が残ったのかが対照的ですよね。『叱られた』体験は、しっかりと子どもの学びになり、次に繋がっていくのです。
子供を怒りすぎる影響
近年の研究によると、怒られ過ぎると子どもの脳が萎縮、肥大する変形が見られ、成長に影響することが分かっています。感情的に怒り過ぎてしまうと、子どもに以下のような影響があります。
何か言葉を発すると怒られるのではないかと委縮してしまうことで、次第に自分の気持ちを表現しなくなってしまいます。
環境や人によって態度を変えるようになります。標準では園生活(外)で協調性を持ってある程度家庭より頑張って生活し、安心できる家庭(内)では甘える…というように育っていきますが、子どもの生活態度が逆になってしまうことも…。
なぜ怒られているか分からないままでいると「自分の存在」を否定されたと受け取るようになり、自尊心が傷つきます。周囲に攻撃的になり、強い自分を演出することで”怒られない環境”を作り出すようになります。
後悔しない子供の叱り方3つのポイント!
分かっていてもついつい感情的になってしまう…と言う方も3つのポイントを押さえて心に留めていただければ少しずつ変わっていきますよ。
子供ときちんと向き合う
起きてしまった出来事だけではなく、その前後の様子を伺ってみましょう。例えば、「妹のお世話をしようとしたら妹に嫌がられて、カッとなって叩いて泣かせてしまった」という出来事がありました。ですが、お母さんが見ていたのはカッとなって叩いて泣かせてしまっていたところからかもしれません。子どもはまだ自分の思いや状況を上手に言葉で伝えられません。もちろんどんな場合でも叩いて泣かせるという事は良いことではありませんが、子どもなりに理由があったという事を知ることでも伝え方は変わりませんか?
マイナス行動のみを見て声を掛けるとどんどん感情的になり怒りに変わっていきますが、子どもとその時に向き合うことで状況や思いを知ることができますよ。
叱る理由を伝える
大人にとっては当たり前の社会ルールや常識ですが、子どももそうではありません。みなさんも、様々な経験や学びからルールや常識が身についていきましたよね。子どもは、まだまだ獲得中なのです。「なぜ公共の場では走り回ってはいけないのか」「なぜご飯を食べるときにデザートから食べてはいけないのか」「なぜ人のものをとってはいけないのか」…まだ自我が芽生え、自分軸で生きていますから社会のことは分からないのです。
ただ「ダメ!やめなさい!」「違う!こうしなさい!」と言われても理解できません。「人や物にぶつかるからお店では走ったらだめだけど、公園では走ってもいいよ」「デザートはご褒美だから最後のお楽しみにとっておくともっと嬉しくなるんだよ」など、理由付けすることで子どもも学んでいきます。
改善をする態度をしたらほめてあげる
子どもが「分かった」と理解し、改善出来たら必ず褒めてあげましょう。約束を守ることは長くは続かないかもしれません。ですが、守れたらすぐに「約束を守れてすごいね!どうしてダメなのかわかったんだね!」と具体的に褒めてあげましょう。ここでポイントなのは長い目で見てあげることです。やはり、気持ちが高揚してしまうと抑えられなくなってしまうこともあるでしょう。「この前も言ったでしょ!」と感情的に怒るのではなく、「この前はお約束守れていてすごくかっこよかったけど、今日はもっとかっこよかったらどうしよう!」と前向きな言葉をかけてあげると子どもの心にも響くかもしれません。
叱ったあとのひと言で子どもが変わります!
子どものマイナス行動を叱ったあとの、シーンとした空気が耐えられなくて子どもを叱れない…という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。子どもが落ち込む姿を見ることで、「叱りつけて落ち込ませてしまった」「なんだか後味が悪い」と、後悔してしまうお父さんお母さんも多いかと思います。叱った後にどんな言葉を掛けるかで、子どもも変わり、親子の絆も深まりますよ。
親のほうから「終了宣言」をしてあげる
「もうこの話は終わり。ちゃんと聞いてくれてありがとう。次からは気を付けようね」と最後に声を掛けると、子どもも気持ちを切り替えられます。「終わり」と決めたのですから、お父さんお母さんも後には引っ張らず、気持ちを切り替えてこの件の話はしないようにしましょう。
子どもの気持ちを聞いてあげる
子どもにも言い分があるかもしれません。叱って終わりではなく、子どもに「ダメだって言われてどう思った?」などと話を聞くことで子どもの思いや考えていることが分かり、子どもに対する見方が変わるかもしれません。また、「お父さんとお母さんは自分の気持ちを聞いてくれる」と、子どもにとって保護者がさらに大きな存在になっていくことでしょう。
愛情をきちんと伝える
「嫌いだから言っているんじゃなくて、大好きだからお話しているんだよ」と言葉で愛情をきちんと伝えましょう。叱られている最中は子どもの心には届かないかもしれません。ですが、繰り返し愛情を言葉で伝えることはとても大切なことです。その時は気が付かないかもしれませんが、時間が経って「あのとき自分のために言ってくれたんだ」と愛情は必ず伝わります。”言わなくても分かる”ではなく、家族だからこそしっかりと言葉で愛情を伝えていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?なかなか難しい「叱る」について少しは紐解いていけたでしょうか。「叱る」も「褒める」も愛情があってこそです。咄嗟のときは感情的になってしまうこともあると思いますが、「子どもに何を伝えたいのか」を考え、声を掛けられるようにできたら良いですね。お父さんお母さんの愛情は、しっかりとお子さんに伝わっていると思いますよ。