共働き世帯が増える中で注目されている「企業主導型保育園」。
認可保育園とは違う独自の制度で運営されており、柔軟な開園時間・利用しやすい料金・地域枠の受け入れなど、忙しい家庭にとって魅力の多い保育形態です。
この記事では、元主任保育士の視点で
企業主導型保育園の仕組み・メリット・デメリット・選び方のポイント
をわかりやすく解説します。
保育園探し中のご家庭や、制度を知りたい保育士さんにも役立つ内容です。
企業主導型保育園とは?基本の仕組みをわかりやすく説明

企業主導型保育園は、2016年に始まった「企業主導型保育事業」に基づいて設置される保育施設です。
主に 企業が従業員の働きやすさを支えるために設置 する点が特徴ですが、地域の子どもを受け入れる園も多く、「認可外保育施設」でありながら国からの助成を受けているのがポイントです。
● 企業主導型保育園の特徴
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国の助成金により品質が保たれている
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「従業員枠」と「地域枠」がある
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認可保育園より柔軟な運営が可能
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小規模園が多い(定員12〜50人ほど)
「企業限定の保育園?」と誤解されがちですが、地域枠を設けている園が多く、一般家庭でも利用できる場合が多いです。
企業主導型保育園のメリット

企業主導型保育園には、利用家庭と企業側、さらに保育士側にも多くのメリットがあります。
● ① 開園時間が柔軟で利用しやすい
企業の働き方に合わせて
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早朝保育
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延長保育
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土日の開園
など、柔軟な時間設定がされているケースが多いです。
シフト勤務の保護者や、サービス業の家庭には特に便利です。
● ② 小規模で家庭的な雰囲気が多い
企業主導型は小規模園が多く、
「一人ひとりと丁寧に関われる」
「子ども同士の関係が濃くなる」
といった点で保護者から支持されています。
元主任保育士としても、
家庭的な関わりを大切にしたい子に向いている
と感じます。
●③ 地域枠でも利用しやすい
認可保育園のように
「点数制度」や「市の選考」がないため、
比較的スムーズに入園できる傾向があります。
●④ 給食や安全基準は国の指導を受けているため安心
企業主導型は認可外ですが、
国が定めた運営基準・監査をクリアする必要があります。
そのため、保育の質や安全基準は大きく外れないよう管理されています。
企業主導型保育園のデメリット

もちろん、メリットが多い一方でデメリットも存在します。
●① 園によって質の差が大きい
助成制度が整っていても、設置企業の運営方針によって
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保育者数
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経営の安定
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設備の整備
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保育の質
に差が出ることがあります。
園見学では特に 保育士の雰囲気・衛生管理・書類の整備状態 をチェックすることが大切です。
●② 認可保育園より情報量が少ない
自治体による取りまとめがないため、
利用者が自分で園を探して調べる必要があります。
口コミや公式ページだけでなく、実際に見学して判断するのがベストです。
●③ 企業枠が埋まっていると地域枠が少ない
企業主導型は「従業員枠」が優先されるため、
地域枠の人数が少ない場合があります。
入園を希望するなら早めに問い合わせるのがおすすめです。
企業主導型保育園はこんな家庭におすすめ!

元主任保育士の経験上、次のような家庭に特に向いています。
● シフト勤務や不規則勤務の家庭
保育時間が柔軟なため、勤務に合わせやすいです。
● 少人数で家庭的な保育が合っている子
ゆったりした環境を好む子にぴったりです。
● 認可保育園が入れなかった家庭
選考に落ちても利用しやすいのが企業主導型のメリット。
企業主導型保育園の選び方|元主任保育士が注目するポイント

見学の際にチェックしてほしいポイントをまとめました。
●① 職員の雰囲気・欠員の有無
退職が続いていたり、保育士が常に不足している園は要注意です。
●② 子どもの表情
笑顔が多いか、安全に過ごせているかを見るのが一番の判断材料です。
●③ 給食・衛生面
給食は園内調理か?衛生管理は?
ここは企業主導型でも園ごとの差が出やすい部分です。
●④ 保護者対応
質問に丁寧に答えてくれるか、説明が明確かも重要ポイント。
まとめ|企業主導型保育園は利用しやすく魅力的な保育の選択肢
企業主導型保育園は、
柔軟な運営・小規模で家庭的な雰囲気・利用しやすさ
など、多くのメリットがあります。
一方で、園によって質の差が大きいという課題もあるため、
見学や問い合わせを通して丁寧に比較することが大切です。
保育園選びに悩む家庭にとって、
企業主導型は十分検討価値のある選択肢です。