保育士を目指すとき、まず気になるのが「どうやったら保育士になれるのか」ということですよね。保育士資格は2通りの方法で取得できます。今回は保育士資格を取得する方法を解説し、後半では保育士試験に合格するための勉強法なども紹介していきます。保育士になりたいと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
保育士になるためには、まず「保育士資格」を取得しなければいけません。保育士資格を取得する方法として、以下の2つがあげられます。
- 卒業と同時に資格が付与される学校に通学するか通信教育を受ける方法
- 仕事、家庭の事情などで通学できない方は、国家試験で取得する方法
どちらの方法でも同じ保育士資格が取得できますが、その過程は大きく異なります。それぞれメリットとデメリットがありますので、まずは保育士資格の取得方法について確認しておきましょう。
卒業と同時に資格が付与される学校に通学するか通信教育を受ける方法
保育士になるための方法として1つ目にあげられるのが、保育士資格が付与される学校を卒業するというもの。厚生労働省が指定している保育士養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業すれば、国家試験を受験することなく保育士資格を取得できます。
高校卒業後の進路として選ばれがちな方法ですが、なかには通信制の大学や夜間学部を設けている学校もあるので、社会人や主婦の方も目指しやすいでしょう。
保育士養成施設で資格を取得するメリットは以下の2つ。
・実践的な知識や技術が身に付けられる
・幅広い知識が学べる
授業ではピアノや音楽のレッスン、さらに保育園での実習を行う学校が多いので、より実践的な知識や技術を身に付けられます。さらに、2〜4年ほどの長い期間をかけてじっくり学べるので、幅広い知識に触れることができるでしょう。
デメリットは、単純に時間とお金がかかること。卒業するまでに最短で2年、長ければ4年以上かかり、さらに学校に入学するための準備(受験勉強)も必要です。
また金銭面をみても、専門学校で200万円以上、4年制大学では400万円以上かかることも。そのため、時間とお金にある程度余裕がなければ選択しにくい方法かもしれません。
仕事、家庭の事情などで通学できない方は、国家試験で取得する方法
保育士になるための2つ目の方法は、国家試験(以下、保育士試験)を受験するというもの。受験資格は幅広く、保育士とは関係のない大学に通っていた方や、最終学歴が中卒や高卒の方でも受験できる場合があります。詳しい受験資格についてはこちらのサイト(全国保育士養成協議会 https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qualify/)を参考にしてくださいね。
保育士試験で資格を取得するメリットは、以下の2つです
・費用を抑えられる
・自分のペースで進められる
受験料や勉強に必要な参考書などの費用は必要ですが、それでも学費と比べればかなり経済的と言えます。さらに、場所や時間に縛られず勉強できるため、仕事をしている方や子育て中の方にもぴったり。やる気さえあれば、誰でも挑戦できるのが最大のメリットと言えるでしょう。
保育士試験で資格の取得を目指す場合は、現場での実習ができないので、実践的な知識や技術を身に付ける機会がありません。また、自分のペースで学習できるのはメリットである反面、モチベーションを保つのが難しいと感じられる場合も。
「保育士になりたい!」という強い意思があり、自分ひとりでも頑張れる人でなければ難しいかもしれません。
結論から言うと、保育士資格は独学で取得できます。結局は自分の頑張りによるところが大きいですが、絶対に不可能というものではありません。次は、保育士試験について解説していきます。
保育士試験って簡単?
まず、保育士試験の中身についてですが、保育士試験には筆記試験と実技試験があります。筆記試験は9科目あり、それぞれの科目で6割以上の得点をとらなければいけません。つまり1科目でも6割に満たない科目があると不合格とされてしまいます。
ただ、合格した科目については3年間免除される制度があるので、翌年は不合格だった科目のみ受験すればOK。勉強範囲が狭くなるので、回数を重ねるごとに合格する可能性は上がるでしょう。
合格率をみると、2020年で約24%、過去5年分のデータを見ても大体20%前後となっています。誰でも受かるような簡単な試験とは言えません。
保育士試験の年間スケジュール
保育士試験は、前期と後期で1年に2回行われます。令和4年度の保育士試験のスケジュールは以下の通りです。
前期
筆記試験:4月23日(土)、24日(日)
実技試験:7月3日(日)
後期
筆記試験:10月22日(土)、23日(日)
実技試験:12月11日(日)
筆記試験の5か月ほど前から申込みが始まります。令和4年度の前期試験の場合は、令和3年12月1日から令和4年1月25日までが申込期間でした。こちらのサイト(全国保育士養成協議会 https://www.hoyokyo.or.jp/exam/)で詳しい情報が随時発信されるので、チェックしておきましょう。
一発合格のためにどのように学習すればよいのか
回数を重ねるごとに合格率が上がるというものの、時間や費用のことを考えるとやはり一発合格を目指したいですよね。前提として、人によって適している学習方法は異なりますが、基本的には以下の学習方法がおすすめです。
①テキストを読んで全体像をつかむ
②問題を解く
最初にテキストを読んで全体像をつかんでから、問題集をひたすら解くことで少しずつ記憶に定着させていく方法です。
ここで注意したいのは、テキストや問題集を選ぶときは必ず最新版を購入すること。保育士試験には法律に関する問題が含まれており、頻繁に法改正が行われています。古いテキストだと反映されていない場合があるので、テキストを選ぶ際は気をつけましょう。
保育士はピアノが弾けないとなれないの?
保育士を目指すうえで気になるのがピアノ。しかし、ピアノが弾けなくても保育士資格は取得できますし、就職先によってはピアノが弾けなくても問題ありません。以下で解説していきます。
保育士資格の取得は問題なし!
なんとなく保育士はみんなピアノが弾けるようなイメージがありますが、じつは保育士試験自体はピアノが弾けなくても問題ありません。保育士試験では実技試験が行われますが、その方法は以下の3つの分野から2つ選択するものとなっています。
・音楽に関する技術(指定された楽器を使い課題曲を弾きながら歌う)
・造形に関する技術(指定された一場面を絵画で表現する)
・言語に関する技術(指定された昔話などを3分間で子どもが前にいる想定で語る)
これらのうちピアノの演奏が必要なのは「音楽に関する技術」のみです。そのため、音楽に関する技術以外の2つを選択すればピアノが弾けなくても保育士資格を取得できるのです。
保育士として働くならピアノが弾けないとだめ?
ただ、やはり保育園で働くことを目指すのであれば、ピアノは弾けた方がよい場合が多いです。しかしながら、すべての保育園でピアノ経験を必須としているわけではないので、就職時にしっかりリサーチすることが大切。
ピアノが弾けなくてもCDで音楽を流したり、タンバリンやカスタネットなどほかの楽器で対応したりできるので、問題ないことも少なくありません。ピアノが弾けないからと諦める必要はありませんよ!
保育士資格の取得方法について解説しました。学校へ行くにしろ保育士試験を受験するにしろ、それぞれメリットとデメリットがあります。自分が置かれている状況に合わせて、適切な方法を選びましょう。保育士になりたいという強い気持ちがあれば、いずれの方法でもうまくいくはずです。勇気をだして挑戦してみてくださいね。