子どもに絵本の読み聞かせをしているうちに、絵本の魅力に気がついた、自分でも絵本を作ってみたくなった、という方が少なからずいらっしゃいます。また、元々絵を描くのが好きで、絵本作家に憧れているという方も。絵本ならではの魅力を、自分の手で作り出すことができたら素敵ですよね。
基本的な絵本の作り方はこちら!!
実は、絵本を作ること自体はそれほど難しいことではないんです。基本的な絵本の作り方は以下のような流れになります。
- 絵本の材料を集める
- 物語を考える
- ラフ(下絵)を描く
- ペンなどで清書する
- 表紙や扉を作る
- 製本する
まずはどんな絵本を作りたいかを考えて、必要な材料を集めるところから始めましょう。紙で絵本を作る場合、画用紙やペン、表紙に使うのりや画用紙などを準備します。裁縫が得意という方であれば、布絵本という選択肢もありますね。
最近ではアプリを利用して、電子絵本を作ることもできるようになっているので、パソコンやタブレット、タッチペンがあれば気軽に絵本作りに挑戦できます。
材料が集まったら、あなたの考えた物語を描いていきます。書店に並ぶような絵本を作ろうと思うとハードルが高くなりますが、ご家庭で個人的に楽しむためのものであれば、ぐっとハードルが下がって気軽に取り組めるのではないでしょうか。
初心者でもできる!絵本を作る流れはこちら!
「作ってみたいお話はあるけど、絵の描き方もよく分からないし・・・」
「絵本作りって難しそうだし、どうやってお話しを考えたらいいのかも分からない・・・」
絵本作りに興味があるものの、分からないことが多いと二の足を踏んでしまいますよね。初めての方でも絵本の作り方が分かるように、全体の流れを解説していきたいと思います。ストーリーの作り方についても、よくあるやり方をご紹介しますね。
①絵本のサイズを考える
まず、絵本のサイズをどうするか考えましょう。絵本売り場に行くと、実にさまざまなサイズの絵本が並んでいますよね。実は絵本はサイズが決まっていないので、ストーリーに合わせていろいろなサイズにすることができます。
絵本のサイズを決める際にポイントになるのは次の2点。
- 描きたいストーリーに合わせる
- A3に収まるサイズにする
はっきりと描きたいものが決まっている場合、それに合わせてサイズを決めるといいでしょう。出てくるキャラクターがネズミやリスのような小さな生き物であれば、絵本のサイズが大きいとしっくりこないかもしれませんよね。
反対に、大きなお城や広い海を描きたいのであれば、小さな絵本では描ききれないことも。ストーリーやキャラクターを描きやすそうなサイズで選びましょう。
まだはっきりストーリーやキャラクターが決まっていない場合は、A3におさまるサイズがおすすめです。市販のプリンターや印刷屋さんで印刷する場合、A3以上のサイズは印刷できないことがあります。
せっかく描いたのに、印刷できないから製本できない、なんて切ないですよね。特に初めての絵本作りであれば、A3サイズに収まるようにしておけば安心でしょう。
②絵本のページ数を考える
続いて、絵本のページ数を考えます。
「まだストーリーも決まっていないのに、ページ数を考えるの?」そんな疑問を感じた方もいらっしゃると思いますが、製本の関係上、ページ数を先に決めておくことをおすすめします。
多くの絵本は、24ページか32ページになっています。
なぜ多いのかというと、印刷しやすく、製本しやすいページ数なんですね。表紙があって、扉と呼ばれるページがあって、最後に奥付と裏表紙がきます。その間に本文が挟まれる形になりますが、奇数ページだと空白のページが生まれてしまうんです。
また、偶数でもページ数が足りないと同様に空白のページが生まれることになるため、24ページか32ページにしておくと無難。慣れてくると勝手が分かってくるので、ページ数の調整もできるようになるでしょう。
③文章を考える
絵本のベースになる部分が決まったら、内容について考えていきます。まずはストーリーを考えていきましょう。
細かなところは後から考えていけばいいので、大まかなストーリーの流れと登場するキャラクターを決めていきます。とはいえ、初めてだとストーリーの流れの作り方もよく分かりませんよね。
ストーリーのアイデアの出し方や、流れの作り方について、詳しく解説していきましょう。
ストーリーのアイデアだしで一番最適な方法は?
ストーリーのアイデアを出す方法は人によってさまざまで、繰り返していくうちに自分なりのやり方がみつかっていきます。初めての方におすすめなのは、登場人物を身近な人にしてみること。
家族や子ども、友人など、身近な人を登場させると親しみもわきますし、台詞や行動も想像しやすいはず。それに、自分が登場する絵本をもらったら、子どもはきっと喜ぶでしょうね。
「なんとなくイメージはあるんだけど、うまく表現できなくて・・・」そんな時は、浮かんでくる言葉をどんどん書き出してみましょう。自分の頭の中にあるものを書き出していくうちに、うまく表現できなかったことが形になったり、まとまったりしていきます。
大好きな絵本や写真集を見ることで、イメージがふくらむこともありますよ。
ストーリーを書くポイント!まずは、エンディングから考えよう!
ストーリーの流れをどうやって作ったらいいか分からない、という時は、まずエンディングを決めてみましょう。
「ケンカをした友だちが仲直りする」
「探していたものをみつけられる」
エンディングが決まれば、ストーリーの始まり方も決まってきます。仲直りをするなら、まずはケンカをするところから。探し物をするなら、まずはなくしてしまうところから。
スタートとエンディングが決まれば、あとはどんな道を辿っていくのかを決めるだけなので、ぐっとストーリーを組み立てやすくなりますよ。
⑤絵を描く
ストーリーが決まったら、流れに合わせて絵を描いていきましょう。いきなり絵を描き始めるのではなく、まずはページごとにストーリーの流れを割り振っていきます。
1ページに入る文字が多くなりすぎると読みにくいので、配分を考えながら、しっくりくるまで書き直して大丈夫です。
割り振りが決まれば、どんな絵が必要になるのかも分かってきます。ページごとにラフ(下絵)を描いて絵と字のバランスを調整していきますが、こちらも、何回書き直しても大丈夫。
大好きな絵本を参考にしながら、しっくりくるまで書き直してみましょう。
ラフが完成したところで、実際に絵を描いていきます。
⑥文と絵を組み合わせてみる
絵が描き終わったら、文章を組み合わせてみましょう。
絵にそのまま文を書き込むのではなく、トレーシングペーパーを絵に載せて文を合わせていきます。トレーシングペーパーを使うことで、文のレイアウトを自由に変えることができますし、文字を書き間違えてしまっても安心です。
文と絵が全てしっくりきたら、絵本のベースが完成になります。
⑦表紙・扉などを作成
絵本には表紙と、扉と呼ばれるページがついています。
自分で製本までする場合は、薄めの段ボールなどを使って表紙を作ると折れにくくなります。印刷会社に製本をお願いする場合は、表紙用、扉用の絵や文を用意しましょう。
⑧製本
表紙から中味まで全てがそろったら、いよいよ製本です。
製本を自分で行う場合、簡単な製本の方法はのりで貼り合わせていく方法。紙を半分に折って、裏面同士を半分ずつのりで貼り合わせていきます。
最後に、表紙なども合わせてホチキスなどで留めれば完成するので、気軽に絵本を作ることができますよ。段ボールで表紙を作る場合は、普通のホチキスで留めることができないので、製本がやや難しくなります。
製本が難しいという方は、手作り専用絵本を利用するのもおすすめ。もともと絵本の状態になっているので、白紙の中味に絵や文を描き込んでいくだけで絵本が完成し、製本の必要がありません。しっかりした表紙がついているものを選べば、本格的な絵本が完成します。
また、印刷会社にお願いすることで、しっかりとした製本をしてもらうことも可能です。本屋に並んでいるような絵本を作ることができますが、その分費用もかかるので、特別な絵本を作る時に利用するといいかもしれません。
自費出版が可能な業者にデータを納品!
自費出版と聞くと大事のように聞こえるかもしれませんが、実はそうでもないんです。
手描きの原稿を送って製本してもらう、という形でも絵本が作れますし、データの形で納品し、印刷から製本までお願いすることもできます。手作り絵本は手作りならではの良さがありますが、業者にお願いすると、本屋に並んでいるのと同じような絵本が出来上がるので感動もひとしお。
誕生日のお祝いや記念日のプレゼントなど、特別な日のための絵本を作ってもらうのも素敵ですね。
料金は仕様によって変わってきますが、一例としてご紹介します。
A4サイズのハードカバーで本文が200ページ以内のカラー印刷を3冊印刷・・・79,486円
A4サイズのハードカバーで32ページの絵本を10冊印刷・・・299,800円
別々の業者の料金です。
最低冊数など条件や料金が業者によってかなり変わるので、自費出版に興味がある方はぜひ調べてみてください。想像しているより、ずっと身近に感じられると思いますよ。
まとめ:興味がある方は是非自費出版にチャレンジ!
絵本の基本的な作り方について紹介してきました。
興味はあるものの難しそう・・・と感じていた方にも、実は気軽に挑戦できるということが伝わったかと思います。ストーリーやキャラクターを考えて、絵を描いて・・・と、やることはいくつもありますが、ご自分のペースで楽しんで進めていけば大丈夫。
制作にかかった時間も、出来上がった絵本と共に素敵な思い出になることでしょう。本格的な絵本にしてみたい!という方は、ぜひ自費出版にもチャレンジしてみてください。
しっかりとした装丁の絵本を手にする喜びは癖になるかもしれませんよ。