1歳児の絵本について悩んでいるパパとママへ。この記事では1歳児の絵本のねらいや、絵本の選び方のポイントを解説しています。後半では現役保育士が1歳児におすすめの絵本を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。「種類がありすぎてどんな絵本を選べばいいのかわからない」「絵本を読み聞かせても全然聞いてくれない」といった悩みが解決できますよ。
1歳児の絵本のねらい
できることがぐっと増え、いろんなことに興味を持ち始める1歳児。視野も広がり、個性が育ち始めるのもこの時期と言われています。そんな1歳児に絵本を読み聞かせるねらいは以下の3つです。
- 想像力を豊かにする
- 言語能力を高める
- 情緒を安定させる
1つめのねらいは想像力を豊かにすること。個人差はあるものの、1歳になるとほとんどの子どもが言葉の意味を理解し始めます。そのため、絵本の内容も少しずつわかるようになり、いろんなことが想像できるようになります。非日常の世界が広がる絵本は、今まで見たことがなかったものを知り、想像力を膨らませるツールとしてぴったりなのです。想像力が豊かになると、思いやりをもって人と関わることができ、社会性が高まるとも言われています。
2つ目のねらいは言語能力を高めること。絵本には普段の生活では使わないような言葉がたくさん出てきます。まだうまく喋れない1歳児でも、絵本をくり返し読み聞かせてあげれば、言葉や表現をちゃんとインプットできます。インプットが多ければ多いほど語彙力が高まります。そして、語彙力が向上すると、自分の気持ちを表現したり、相手の感情を理解したりするのがうまくなり、コミュニケーション能力が高くなるとされています。
3つ目のねらいは、情緒を安定させること。パパやママの声は子どもに安心感を与えます。さらに、絵本を読み聞かせるときは、自然と子どもとの距離がぐっと近づきますよね。パパやママのぬくもりを全身で感じて安心感を得ることが、子どもの情緒を安定させることへとつながっていきます。
1歳児の絵本の選び方
0歳児に比べれば言葉への理解がぐっと深まっていると言えど、ストーリーを理解したり長時間絵本を見続けたりというのは1歳児にはまだまだ難しい場合が多いです。その点をふまえて、1歳児の絵本の選び方のポイントを3つご紹介します。
- 食べものや乗りものなど身近なものが登場する
- 音やリズムが楽しめる
- 視覚で楽しめる
1つ目のポイントは食べものや乗りものなど身近なものが登場すること。子どもが普段の生活のなかで興味をもっているものを題材にした絵本を選ぶと、絵本の世界に引き込まれやすくなります。もともと絵本の読み聞かせの習慣がない場合や、絵本を読み聞かせてもあまり見てくれないという場合は、まずは子どもが好きな食べものや興味のあるものが出てくる絵本を選んでみてください。
2つ目のポイントは、くり返しの言葉が出てきたり、リズムが楽しめたりする絵本を選ぶこと。0歳児の絵本の選び方でも紹介しましたが、1歳児もまだまだ言葉のくり返しやリズムのある絵本が大好きです。とくに、「にこにこ」「カンカン」などの擬態語や擬音語はまだ語彙が少ない1歳児にも伝わりやすく、絵本の内容を感覚的に理解できます。子どもはまねをするのが得意なので、何度も読んでいるうちに声を出して一緒に楽しんでくれることもありますよ。ストーリー性のある絵本より、くり返しの言葉やリズム感がありサクサク読み進められる絵本が1歳児にはおすすめです。
3つ目のポイントは、視覚で楽しめるものを選ぶこと。1歳児は視力もしっかりしてきて、色や形などが認識できるようになっています。そのため、色彩が豊かでコントラストがはっきりしている絵やいろいろな形を楽しめる絵本は、1歳児の脳に刺激を与えてくれます。言葉が理解できなくても視覚で楽しめる絵本は、子どもも飽きずに見ていてくれる場合が多いですよ。
現役保育士が紹介!1歳児の絵本でおすすめは5選!
先ほどの3つのポイントをふまえて、1歳児におすすめの絵本を厳選しました。ちゃみせんせいが今回選んだ絵本は以下の5冊です。
- もこ もこもこ
- さかながはねて
- はらべこあおむし
- さつまのおいも
- ももんちゃん ぎゅっ!
内容と特徴をくわしく見ていきましょう。
もこ もこもこ
詩人である谷川俊太郎さん作のこちらの絵本。「しーん」から始まり「もこ」「もこもこ」「にょき」と続いていきます。文章はなく、擬音語や擬態語だけで構成されています。大人は意味がわからないと感じるかもしれませんが、不思議な音と絵に引き込まれて喜んでくれる子どもが多いんです。簡単な言葉しか使われていないので、1歳児でもまねしやすいのもうれしいポイント。子どもがまねをしてくれるようになると、読み聞かせもぐんと楽しくなりますよ。鮮やかな色と不思議な形が特徴的で、視覚でも十分楽しめます。
さかながはねて
大人気の手遊びうたから生まれたこちらの絵本。ねこやいぬ、ぞうなどいろんな動物が登場してきて、「さかながはねて ぴょん♪」のリズムで、さかなが動物の目や頭などからだの一部にくっつきます。歌いながら読み進めることができるので、絵本が苦手な子どもでも楽しめるところがおすすめです。手遊び動画のQRコード付きなので、手遊びうたを知らないママやパパも安心です。
はらぺこあおむし
言わずと知れた名作絵本「はらぺこあおむし」。こちらは、はっきりした色使いと特徴的なイラストが目をひく海外の絵本です。ストーリーは葉っぱの上の卵からあおむしが生まれて、最終的にはちょうちょに成長するという一見シンプルなもの。しかし、この絵本にはストーリー以外にも楽しめる要素がたくさんあるんです。まず、穴が開いているページがあるので、まだストーリーが理解できない子どもも触って楽しめます。また、ストーリーが曜日ごとに進んでいくので、曜日感覚を身に付けたいときにも活躍します。1歳児からもう少し大きくなるまで長期的に楽しめる絵本です。
さつまのおいも
こちらは、子どもが大好きな野菜のひとつであるさつまいもを題材にした絵本です。さつまいもが生きているという設定で話が進んでいきます。さつまいもの普段の生活をのぞくところから始まり、中盤では子どもと綱引きをして掘り起こされてしまいます。最後には大人も子どももくすっと笑ってしまうような結末がある愉快な絵本です。32ページとややボリュームがありますが、展開が早いのでさくっと読めてしまいますよ。とくにさつまいも好きな子どもは、思わず引きこまれてしまうでしょう。
ももんちゃん ぎゅっ!
こちらは人気の「ももんちゃんシリーズ」のなか中の1冊。こぐまさんやひつじさんなどの動物のほか、おばけやさぼてんなどに「ほっぺ みーせて」と呼びかけて「はーい」の返事とともに、みんなそれぞれほっぺを指さしていく絵本です。ももんちゃんにもほっぺを見せてもらったら、最後は今まででてきたみんなとほっぺをぎゅっとくっつけ合います。優しいタッチのイラストとかわいらしいストーリーが印象的で、親子で心が温かくなる絵本です。話に合わせて子どもとほっぺをぎゅっとくっつければ自然とスキンシップもとれますよ。子どももにこっと笑ってしまうはず。
まとめ
今回は1歳児の絵本について解説しました。絵本は知育としても注目されていますが、年齢にあった絵本を選んであげなければ興味をもってもらうことは難しく、読み聞かせてもなかなかうまくいきません。選び方のポイントを参考にしつつ、親子でお気に入りの1冊を見つけてくださいね。