今年も夏から秋にかけて流行した手足口病。テレビでも話題になっていましたので、聞き覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?大人社会の中ではなかなか流行らない病気ですので、『子どもがなる病気』という認識をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。手足口病の、原因ウイルスは「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」で、複数の種類があるので何度もかかる可能性もある病気です。皆様の認識の通り、5歳未満の小児が80%を占める病気ですが、まれに大人にも感染します。
手足口病とは
手足口病の潜伏期間は、3〜6日で、症状としては口の中・手のひら・足の裏や甲に水疱性の発疹、発熱が主です。爪がはがれることもあります。また、口の中の口内炎の痛みから、飲食を受けつけずに「脱水」になることもありますので注意が必要です。まれに髄膜炎や小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。放っておくと怖い病気なのです。
感染経路とは
手足口病は、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、舐めて唾液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることで感染する「接触感染」が主な感染経路となります。
そのため、保育園では一人が感染すると、爆発的に流行してしまうことがあるのです。また、回復後も口から1〜2週間、便から2〜4週間にわたってウイルスが排泄されるので、おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がりますので、大人もしっかりとした感染対策が必要となります。
手足口病になった!保育園に行ってもよい?
感染力の高い手足口病ですが、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザのように、出席停止の決まりはありません。 厚生労働省の発表している目安としては 「解熱して1日以上経過して、普段通りの食事が切る状態」 というものはあります。保育園ごとに登園の目安やルールがある場合もありますので、手足口病に感染した場合は各園の先生に確認するようにしてください。
保育園を休ませるべき目安
発熱や下痢、頭痛、だるさ、口内の発疹で普段通り食事や水分を摂れないなどの症状がある場合は、全身状態が回復するまで休ませることが必要です。お子様に少しでも普段と違った様子があれば、発疹が出ていないか確認するようにしてください。
手足口病の治療
毎年流行する手足口病ですが、治療法やワクチン、特効薬というものはありません。3日から1週間程度でほとんどが自然に治癒してしまう感染症のため、診断を受けた場合は、自然治癒を待つのが一般的です。口の中が痛み、食事をとることが辛そうな場合は、口内炎用の軟膏を処方してもらいましょう。
手足口病は大人へも感染するの?
大人の場合、過去に感染して免疫がある場合が多いのですが、先述したように手足口病の原因ウイルスは複数あります。 そのため、子どもの頃にかかったことのある人も、安心はできません。
大人の手足口病は、発疹のかゆみと痛みなども含め、子どもより重症化しやすい傾向があります。 子どもの場合は発熱したとしても高熱になることは稀ですが、大人が感染すると40度近い高熱になり、関節の痛みや全身の筋肉痛を伴うことがあります。 また、嘔吐や下痢、手足のしびれといった症状が出ることもあり、症状が重くなる場合が多いようですので、注意が必要ですね。
先述したように、手足口病は、手指が接触することや、くしゃみなどの飛沫により感染するので、身の回りを清潔に保つことが予防の基本です。 子どものおむつ替えの際の便を介して感染することもありますので、子どもが手足口病の感染の疑いがある場合は、ビニール手袋をしたり、マスクをするなどウィルスが排出されるまでの2~4週間は、念入りに予防をすると良いでしょう。
まとめ:ピーク6月~9月!しかし!最近は秋冬も注意!
いかがでしたか?手足口病のピークは通常は6~9月で『子どもの三大夏風邪』の一つだと言われているのですが、近年は秋冬にも感染が広がる場合も有りますので、今後も十分注意が必要です。手足口病は、あっという間に流行が広がる病気です。軽症で済む場合がほとんどですが、侮れない病気ですので感染した場合はお子様の状態をしっかりと見てあげて下さいね。大人が感染すると子どもよりも辛いです。気を付けましょう!