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りんご病はいつから登園できる?保育園での対応と家庭での過ごし方を解説

りんご病とは?症状と流行する時期を知ろう

「りんご病」とは、正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)と呼ばれるウイルス性の感染症です。頬が赤く染まる特徴的な症状から“りんご病”という名前で親しまれています。主に冬から春先(11〜3月ごろ)にかけて流行し、保育園や小学校低学年の子どもに多く見られます。

原因はヒトパルボウイルスB19。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、手を介した接触感染です。潜伏期間は約1〜2週間で、最初は軽い風邪のような症状(発熱、倦怠感、鼻水など)が出てから数日後に頬や腕に発疹が現れることが多いです。

発疹が出るころには本人も元気になるため、「もう大丈夫かな?」と感じる保護者も多いですが、実はこの発疹が出る前に感染力が強いという点がりんご病の特徴です。


りんご病にかかったら登園はいつから?

感染力があるのは「発疹が出る前」

りんご病で最も感染力が高いのは、発疹が出る前の風邪のような時期です。つまり、熱や咳などの症状が出ている間にウイルスが広がり、発疹が出た頃には感染力がほとんどなくなっています。

そのため、「発疹が出ている=登園できない」というわけではありません。発疹が出た段階では本人が元気であれば、他の園児にうつす心配はほとんどないとされています。


登園の目安は?

厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、りんご病について次のように記載されています。

発疹が出て、全身状態が良ければ登園可能。

つまり、熱がなく元気に遊べる状態なら登園してOKということです。
ただし、発疹が出た直後で機嫌が悪い、かゆみが強い、体調がすぐれない場合は、無理をせず1〜2日自宅で休ませるのが安心です。

※この時に無理に保育園へ登園させてしまうとかえってぶり返して長引いてしまう事もあるので、大事をとって休ませて回復させてあげる事をおすすめします。


医師の診断書は必要?

りんご病の場合、発疹が出た時点では感染力がないため、治癒証明書や登園許可証が不要な自治体がほとんどです。
ただし、園によっては医師の意見書や登園許可証を求める場合もあるため、かかりつけ医の診断後に園へ確認しましょう。


保護者が気をつけたい家庭での過ごし方

安静とスキンケアを心がけよう

発疹が出ている期間は、体調が落ち着いていても肌がデリケートな状態です。

  • 強い日差しや汗の刺激を避ける

  • 入浴時はこすらず、ぬるめのお湯でやさしく洗う

  • 乾燥を防ぐため保湿をしっかり行う

また、発疹は数日〜1週間ほどで自然に消えることが多いですが、再び赤みが出たり、かゆみが出ることもあります。園に戻る前は、肌の状態をチェックして無理なく過ごせるかを見極めましょう。


感染予防は難しいけれど意識したいこと

りんご病は発疹が出る前に感染力が強いため、完全に防ぐのは難しい感染症です。それでも、次のような基本的な対策は有効です。

  • 手洗い・うがいをこまめにする

  • タオルや食器の共有を避ける

  • 咳エチケット(口を押さえる・マスクをする)を教える

また、妊婦がいる家庭は特に注意が必要です。妊娠初期に感染すると、胎児に影響が出ることがあります。もし身近に妊婦さんがいる場合は、発疹が出たことを早めに伝え、医療機関の指示を仰ぐようにしましょう。


保育園での対応と先生たちが気をつけること

感染拡大防止の基本

保育園では、りんご病の発疹が出た段階で登園しても、他の園児に感染させるリスクはほとんどありません。
そのため、過度な隔離や登園制限は不要とされています。

ただし、園内で数人に同じような発疹が見られる場合は、潜伏期間中に感染が広がっている可能性があるため、体調観察を強化します。

  • 咳・鼻水など風邪症状のある園児をこまめにチェック

  • 手洗い・換気・おもちゃの消毒を徹底

  • 保護者にも流行状況を共有する


登園時の保護者への声かけ例

保育士が保護者とやりとりする際には、安心できる言葉がけが大切です。

  • 「発疹が出ていますが、かゆみや熱は大丈夫ですか?」

  • 「お医者さんに登園の許可は出ましたか?」

  • 「元気に過ごせそうなら大丈夫ですよ」

体調の様子を丁寧に確認しつつ、不安をあおらず穏やかに伝えることで、保護者の信頼につながります。


情報共有と掲示対応

園内でりんご病が流行している場合は、クラスだよりや掲示で周知します。
その際は、個人情報に配慮しながら以下のような内容にとどめましょう。

「現在、クラスでりんご病が数名発症しています。感染力は発疹が出る前に強く、発疹が出た後はほとんどありません。体調に変化がある場合はご家庭でもご注意ください。」

保護者が過剰に心配せず、冷静に対応できるように伝えることがポイントです。

※個人が特定されてしまうような表記のないように配慮してあげる事が大切です。また、口頭で聞かれた際もうっかり話してしまっては後々問題になってしまう事もあるので、職員間で必ず共有しておきましょう。


登園後の注意点と園生活での配慮

登園後も、子どもの体調を細かく観察することが大切です。

  • 発疹やかゆみが残っているときは無理に外遊びをさせない

  • 汗をかきすぎる活動は控える

  • 発疹のある部分を清潔に保ち、刺激を避ける

体調が急に悪化した場合は、早めに家庭へ連絡して休息をとるようにしましょう。
園としては「無理せず休める雰囲気づくり」が重要です。

※休み明けの登園した際に、保護者ときちんと情報共有しておく事が大切です。発熱がなくても、給食が全く食べられない場合や活動もぐったりしている様子などあればお迎え要請するなど、受け入れ時に伝えておきましょうね。


まとめ|りんご病でも焦らず、安心して登園を

りんご病は見た目の赤い発疹が印象的ですが、発疹が出た時点では感染力がほとんどありません。
そのため、発疹が出て元気であれば登園可能です。

ただし、体調がすぐれないときや、発疹が強く出ているときは、家庭でゆっくり休むことを優先しましょう。
園と家庭が連携し、情報を共有することで、子どもが安心して過ごせる環境を守ることができます。

保護者も保育士も、「りんご病=焦らず冷静に対応すれば大丈夫」と知っておくことで、安心して登園・保育ができるようになります。